東方十二支

(霊夢と魔理沙の会話)

 時は十二月の終わり頃。
 場所は博麗神社。

魔理沙「なあ、霊夢。今年が寅年だから去年は寅丸 星を描いたんだよな?」
霊夢 「今年が去年?何か文法がおかしいみたいだけど。あら?あってるのかしら。」
霊夢 「ええそうよ。今年も東方キャラで年賀状を出すんだったら、来年は卯年だから・・・『てゐ』か イナバでいいんじゃないの?」
魔理沙「そうかそうか。じゃあ、幸運にする程度の能力の『てゐ』がいいかもな。」
霊夢 「せっかくだし、二人描いてあげてもいいんじゃないの?」
魔理沙「はははは。それもいいかもな。」
魔理沙「でも待てよ?そうすると・・・再来年は辰年だから・・・」
霊夢 「紅 美鈴でいいんじゃない? 頭の帽子に龍が付いてるから。」
魔理沙「なるほど。美鈴にするぜ。」
霊夢 「じゃあ巳年は・・・ああ神奈子ね。注連縄(しめなわ) してるし。」
魔理沙「注連縄で蛇?」
霊夢 「注連縄 って蛇が絡まっている姿を表しているらしいわよ。」
魔理沙「へぇー注連縄ねぇ。今度、咬まれないように注意するぜ。」
霊夢 「縄に咬まれることなんてないと思うわ。」
魔理沙「わからないぜ、あいつの縄なら噛み付きそうだぜ。」
霊夢 「ふふふ。そうかもしれないわね。」
魔理沙「次、午年か。馬キャラなんていたか?」
霊夢 「そうね、馬キャラなんて・・・馬キャラ、ポニーテール・・・フラン?ルーミア?大妖精?」
魔理沙「ポニーはポニーでもそいつら全部サイドポニーだぜ?」
霊夢 「じゃあちょっと午年は飛ばしましょう。」
魔理沙「そうするぜ。」

霊夢 「次、未年ね。メリーかしら?」
魔理沙「メリー?聞いたことないやつだぜ。」
霊夢 「音楽CDっていうやつの秘封倶楽部のキャラらしいわ。本名はマエリベリー・ハーン。」
霊夢 「愛称がメリーらしいわ。」
魔理沙「メリーで羊?」
霊夢 「羊といえばメリーじゃない?」
魔理沙「そうなのか?」
霊夢 「そうなのよ。」

霊夢 「申年は・・・ぬえかしら?」
魔理沙「そうだな。全然、猿っぽくないけど名前がぬえだから仕方ないんだぜ。」
霊夢 「そうね。仕方ないわね。」
霊夢 「酉年は・・・いっぱいいるわね。ミスティア、文、空、どれにする?」
魔理沙「どれにしてもいいんじゃないか?」
霊夢 「そうね。」
霊夢 「じゃあ次、戌年ね。」
魔理沙「椛で決まりだぜ。」
霊夢 「そうね。椛ね。」
霊夢 「じゃあ次、亥年ね。」
魔理沙「猪? いのしし、うりぼう、ぼたん、ううう。思いつかないぜ。」

 霊夢は猪突猛進なイメージから真っ先に魔理沙が思いついたが
なぜか口に出すのをためらった。

魔理沙「霊夢、何を笑ってるんだぜ?」
霊夢 「うん?ちょっとね。」
魔理沙「気になるぜ。」
霊夢 「うふふふふ。」

霊夢 「次、一周して子年ね。」
魔理沙「鼠はナズーリンだぜ。」
霊夢 「丑年は?」
魔理沙「牛・・・けーねかな?」
霊夢 「ハクタクになったほうね?」
魔理沙「そうだぜ。」

霊夢 「でも結構、東方キャラで十二支が埋まったわね。」
魔理沙「そうか?肝心な馬と猪がまだ空いてるけどな。」

 そういった魔理沙は今日、霊夢が髪の毛をポニーテールにしていることに気が付いた。
だが馬というイメージが霊夢に似合わないので言うのをやめた。

魔理沙「亥年と午年はそのまま描くことにするぜ。」
霊夢 「そうね。たまにはそれもいいかもしれないわね。」
魔理沙「さて後、何枚書くんだっけ?」
霊夢 「まだ一枚も書いていないじゃない。」
魔理沙「そうだったか。まあ、まだ時間はある。ゆっくり書くことにするぜ。」

 だんだん夜が更けていく。
博麗神社の明かりはもうしばらく続きそうだ。


霊夢 「私、眠くなっちゃった。魔理沙、わたしの分も書いておいて。・・・ぐう。」
魔理沙「それはずるいと思うのだぜ。」



 終わり。


戻る